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「デフォルマシオン」-03 「旧志免鉱業所竪坑櫓」見学-02 「大正町商店街」とその界隈

8月 5th, 2010

■  「旧志免鉱業所竪坑櫓」見学-02 「大正町商店街」


時間が止まったような町、大正町商店街を目指して移動。
シャッター通りの路地を抜けていきます。古民家もところどころに残っていました。
ぜひ、このまま保存していって欲しい建物です。


アーケードをよく見てみると、なんと木製のトラス構造でした。初めて見た木造のアーケード・・・これは貴重です。
木の表面をみると、長い年月が経っているのが分かります。むき出しの鉄の部分は、塗装が剥げ、サビが出てきています。
これが時間を耐えて存在してきた「物質」の魅力です。サビや劣化が価値を下げることであると決め付けることはできません。

地元の方々にお聞きすると、炭鉱町の繁華街の中心として大変賑わっていたそうです。
左側に「ヒミツ基地732」発見。いったいなんなのでしょう・・・。
シャッターに貼ってあったポスターを見るとコメディーナイトの案内が・・・秘密基地732劇場でした。


けっこう新しめの看板が・・・「レディスショップ トムヤ」、なんかいい。

←星野くん
この映画のセットのような大正町商店街に若者たちと一緒に感激しながら練り歩きました。
現に昭和の時代そのままに保存されているこの大正町商店街で、炭鉱町舞台の映画「信さん」(平山秀幸監督、主演・小雪さん)のロケが2008年10月に行われました。地元のエキストラも出演されているそうです。


昔の長屋を彷彿とさせる裏路地。ここにも哀愁が漂っています。

■感性豊かな若者たちは、確実にこの雰囲気を敏感に感じ取り、受け止めていました。
表面的な日常と重なる無機質で形式的な現代の街並みの軽薄さに辟易している若者たちにとって、リアル感のある志免竪坑と大正町商店街とその界隈は、心ひかれる貴重な文化遺産となっています。

■「大正商店街」とその界隈には、映画のロケとしても利用出来るほどの完成度で昭和の雰囲気が保存されています。
これは、炭鉱竪坑と等しく貴重な遺産といえます。
この他に見られない魅力的な昭和の哀愁ただようこの街を、全体的に保存していくことを希望します。

「デフォルマシオン」-03 「旧志免鉱業所竪坑櫓」見学-01

7月 5th, 2010

■ 先日、志免の竪坑をみんなで見学に行きました。今回の参加者は7人です。

福岡空港からみんなでバスに乗り、15分程、「志免鉄道公園」で降りると・・・

ありふれた町並みの中、突如現れる謎の構築物!これが志免の竪坑。街並みのスケール感とは異なる異様な大きさ。
この街が他の町とは違うことがわかります。
今からほんの少し前、福岡市内の近隣に炭鉱があり、たくさんの方々が働いていらっしゃいました。

←旧国鉄志免駅跡が公園になっています


↑ 竪坑へ・・・だだっ広い土地に竪坑だけが異色の存在としてこちらを睨んでいます。
国の重要文化財になったということで、どのように整備されたかと思っていましたが
炭鉱跡の殺伐とした風景は削り取られ、周辺はすっかり様変わりし、綺麗に整備されていました。


↑ 空に聳え立つ志免竪坑・・・圧倒的な存在感
炭鉱の敷地内は炭鉱跡の痕跡が削り取られ、まっ平らな砂敷きの広場になっていました。


↑ 型枠の跡の残る荒々しいコンクリート、その壁に穿たれた規則的に配列している正方形の開口、
張り出した量塊を支える4本の斜材、雨の跡と、風化するコンクリート、かろうじて付いている雨樋・・・
RCのフレームから飛び出した上部のコンクリートの塊が、この構築物を単なる構築物から巨大彫刻の領域に引き上げています。
このコンクリートの張り出し部分は、機能的にどのような意味があるのか、設計者は何を考えデザインしたのか・・・、そのへんの記述は資料にはありませんでした。


↑ 国指定重要文化財+近代遺産として整備された後、貴重な価値ある炭鉱としての痕跡を削り取ってしまったため、志免竪坑はオブジェと化してしまいました。
当時の痕跡を残した炭鉱敷地に建っているがゆえに、この竪坑が生きてくるのですが、貴重な遺産を削り取って更地にしてしまいました。敷地一体の保存が竪坑と同様、貴重な価値があるのですが残念です。
せっかくの産業遺産が魅力半減、建物としてはなんとか残せましたが、「炭鉱遺産」としてのチャンスを逃してしまいました。
文化財指定、近代遺産指定などの指定範囲と、周辺地域、敷地を含めた保存形態を考えなおす必要があるようです。



↑ 国指定重要文化財指定(平成21年文部科学省)、近代化産業遺産(平成19年度経済産業省)

↑ 福岡県指定史跡(平成22年)

↑ 第八坑連卸坑口(だいはちこうつれおろしこうぐち)
かろうじて残されていた。

↑ ボタ山は緑に覆われていた。


↑ 今回の参加者

廃墟的な建物を見学に行きたいという希望がみなさんから出たので、近場で大変価値の高い志免の竪坑を見学することにしました。平成生まれの20代前半のみなさんにとっても、大変魅力的な建物であったようで、イメージを掻き立てられていたようです。
志免の竪坑はCMなどにも使われていますが、福岡の方々にはあまり知られておらず勿体無い状態です。特に感性豊かな若い人達には、ぜひ見てもらいたい産業遺産です。

「デフォルマシオン」-02

6月 8th, 2010

■ 先日、「デフォルマシオン」第2回目を行いました。

みんなで話しあった内容は、次のようなことでした。

1、福岡市の大名地区がなぜ、衰退してしまったのか。
2、日本における、地方都市の郊外化と中心市街地の衰退について。
3、おまかせ社会から、参加型社会への転換期の到来について。
4、ポアンカレ予想、リーマン予想、フェルマーの最終定理など、数学上の未解決問題について

1、世界同時不況後、若者たちで賑わっていた福岡大名地区に一頃、若者たちがいなくなりました。華やかなデザインの新築ビルが、新築廃墟ビルとして佇んでいたり、工事中の仮囲いの中で一向に工事が進まなかったり、マネーゲームに飲み込まれた結末による現象といってよいようです。完全自由競争と持続的地域全体の発展をどう考えていくのか、これからのまちづくりには必ず必要な視点です。

2、消費社会の典型的な現象である、郊外の大型ショッピングセンター化と中心市街地の衰退。果たして郊外化による格安消費社会が、地域の発展といえるのか、今の時点では、疑問に思っている方も多くなってきています。

3、上記のような現象は、おまかせ社会の結果であり、これを修正していくためには、参加型社会になっていかないとなかなか上手くいかない時代になってきました。

4、話が変わりますが、数学上の未解決問題は興味が付きません。中身はまったくわからないのですが、数学者の真理に取り憑かれた姿を見ることは、デザインに取り組む上で大いに考えさせられます。数学の証明を見ると、建築やデザインが、いかに不完全で、適当で、曖昧な世界なのかがわかります。

どの問題も難しい問題ばかりですが、学校ではこのような話はなかなかできなかったので、みんなで話しあうのは楽しかったです。
こういった話し合いがデザインの素になっていくことなので、皆さんと楽しみながら続けていきたいと思っています。

私塾「デフォルマシオン」

4月 29th, 2010

■ 今年、社会に飛び出すことになった(飛び出さざるをえない)社会人1年生のみなさんと(大袈裟にいうと)これからどうやって生きていけばよいのかを一緒に考えていこうと思い、幕末ブームにあやかり、私塾「デフォルマシオン」を開きました。

今回集まったのは5人。2人は正社員で就職しました。2人は就職浪人中です。1人は2年生をもう一年やり、卒業設計を納得できるものにしたいとのこと。

今年は新卒者の方々には最低の年で、就職すらできない若者が日本中に溢れています。
就職できないのは、新卒者の責任ではない面が多々ありますが、かといって新卒者にとって、就職できないのはプラスではありません。はたして、就職できなかった場合、新卒者のみなさんはこの時期どのように過ごせばよいのでしょうか?
モチベーションを保ちつつ、学校で身につけたスキルを落とさず、できれば、スキルアップするような、意味のある日々を過ごし、数少ないチャンスをものにしていってほしいと思っていますが、いろいろ聞いてみると大変難しいのがわかります。
若者達が自主的にこの困難な時代を生き抜くたくましさを持って欲しいのですが、私も含め、それほどの力はありません。ということで、みんなで集まり、いろいろ考えていこうと思い、このような集まりを持つことにしました。

情報化社会といわれますが、苦楽を共にした生徒のみなさんは卒業してしまうとせいぜい数人しか連絡を取り合わなくなり、狭い世界で仕事におわれる日々を過ごしているようです。今日集まった5人だけでも、各自の状況や考えていることを話すと、自分にはない貴重な情報を得られ、それぞれモチベーションの維持に役立ったようです。

ここ数年、卒業生達をみて思うことは、学校では良い教育を受けたとしても、社会でほとんど活かされていない、ということです。学校と社会がどのようにすればスムースに学生から社会人に移行できるようになるのでしょうか?
今や国力が落ちている日本において、人材活用は一番重要です。若者達と一緒に考えていきたいと思っています。

 


 

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