信濃設計研究所/nano Architects
「新高砂マンション」 大規模改修工事 大規模改修工事 福岡県福岡市

1977年完成。
福岡市清川、旧旅館街に建てられた、7階建てRC賃貸マンション。
エレベータと階段のあるコアを中心に、北棟と南棟に分れ、斜めの中廊下に、蛇行配置された部屋という意欲的な平面計画。
西面バルコニーの外側に、日よけ引戸を取り付けるという斬新なデザイン。
「新高砂マンション」 大規模改修工事

■ 今や日本は「ビルストック時代」に突入しています。ビルストック時代では、建物を60年から80年以上使い続けることが、普通のこととなります。しかし、建物を60年以上使い続けるには、いくつもの大きなハードルを越えていかなければなりません。
大きく分類すると、ハードとソフト、両方に大きなハードルがあります。ハードとソフトは密接に関連していますので、どちらかのみの対応だけでは不十分です。今回の大規模改修工事も、ソフト対策と連携し、計画され、実施されました。
「ビルストック時代」には、ハードとソフトが関連した長期修繕計画が必要です。

■ 現在、一般的に大規模改修工事は、耐震性、防水・外壁廻りの補修、そして、あまり表には出てきませんが、ライフラインとなる、電気・通信設備更新と給排水配管類更新という内容になっています。


■ 築30年の「新高砂マンションでは」防水・外壁廻りの補修はもちろんのこと(外観ではわかりませんが)コンクリート強度調査、給水管の更新ばかりではなく、事例がほとんど見られない排水管の更新も行いました。これらの工事により、はじめて築30年の建物を、さらに30年以上使い続けることが可能となります。

■ 「新高砂マンション」では、元設計が大変すばらしいデザインでしたので、外観補修は元設計を尊重し、地域周辺の景観に対して自己主張をしすぎないように、一時的な流行ではなく長期間利用し続けていけるような色彩計画を立て、外部補修と塗装工事をしました。変形敷地に対応した蛇行配置が、バルコニー部分にリズミカルに現れています。バルコニーには、建設当時斬新であった日よけ引き戸が取り付き、外観にランダムな変化をつけています。高架水槽を設置してあった尖塔には、今回一部を蒼で塗装しました。1977年、建設当時、清川を一新した「新高砂マンション」が、築30年をむかえ再び蘇りました。さらにこれから30年以上使い続けられる力も整いました。「ビルストック時代」の大規模改修として周辺地域の景観と調和し、時代を超えて地域周辺の中で、利用し続けていってほしいと考えております。

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