■ JASE本社ビル

 

 

プロジェクトメンバー

施主:ジャパンシステムエンジニアリング株式会社
   (JASE)
設計:建築設計共同体 
    信濃設計研究所+渋田建築計画事務所
構造:Atelier742
施工:株式会社ナカノフドー建設
設備:株式会社サンテック

 

 

概要

敷地住所:福岡県北九州市戸畑区
主要用途:工場1F〜3F+事務所4F〜5F
主要構造:鉄骨造5階建
敷地面積:3202.99平米
延床面積:4890.98平米
事務所部:2217.87平米
工場部分:2667.50平米
建築竣工:2008年3月
写真撮影:有限会社 テクニ・スタッフ 生熊 智

00 : JASE本社ビル ― 働く空間 <事務所+工場>

夜景が美しいこの巨大な建物は、2階までは工場、そして3階から5階までは事務所です。

玄関を入ってすぐの1階ロビーからは、吹き抜けの開放感のある工場内をガラス越しに見渡すことができます。
工場がショーウインドウに入っているかのような光景です。
5階会議室からは街が見渡せ、町並みは会議室の一部のようです。
様々な広がりと繋がりを感じる空間の連続…
開放的な職場環境です。

仕事場は、働く人にとっては人生の大半を過ごす場所。
仕事場だって、心地よい方がいいに決まっています。
よい環境づくりは、良い仕事づくりにも繋がっているはずです。

私たちは、どんな物件でも、そこで過ごす人たちのことを中心に考えています。


↑ 1F:アプローチと、1F:エントランスホール


↑ 5F:社長室と、1F:EVホール

 

01 : 空間構成

大きな塊に、3つの小さな塊=キャンチを取りつけた、ダイナミックな構成の外観
時代的表現であり、企業イメージでもある、デジタル的な繊細なイメージ。
夜間は、窓からこぼれだす光がテクノパーク内の象徴的照明器具として機能、 北九州テクノパークの環境装置としても作用しています。

時代的表現であり、企業イメージでもある、デジタル的な繊細なイメージを表現、
そして、大きな塊に3つの小さな塊=キャンチを取り付けることにより、ダイナミックな構成の外観とし、
テクノパークを、そして、企業理念を象徴するデザインとしています。
1F〜3Fが工場、4〜5Fが事務室です。

1F〜3F:工場
大きな機械を作る大製造室が中央にあり、両端に中規模や小さな製品を作る製造室が配置されています。
4〜5F:事務室
製品の開発・設計部と営業・総務部が配置されるオフィス空間です。フリーアクセスフロアが整備され、大きな空間を自由にレイアウトできます。


↑ 1F:大製造室と、2F:製造室


↑ 5F:事務室と、4F:事務室

 夜間は、窓からこぼれだす光がテクノパーク内の象徴的照明器具として機能、
北九州テクノパークの環境装置としても作用しています。

02 : 機能 - 設備 / 構造

1F〜3Fが製造室、4〜5Fが事務室となっています。
製造室では、特注の製品の製造を行なっています。小さなものから大きなものまで対応できるフレキシビリティーが重要視される空間です。
事務室には、特注製品のハードとソフトの設計部及び総務・営業部が配置されています。自由な事務所レイアウトに対応できるようフリーアクセスフロアとなっています。

 

■ 動線・設備計画

”EV縦動線”と”設備用縦シャフト”を、”東系統”と”西系統”に分けて本社屋北側に設置。各フロアに接続・分配しています。

□ 電気
○ 1F〜3F:工場
瞬時に大電力を必要とする場合も想定されるため、充分な電気容量を確保。室内は、特注業務に機能的対応するため可変性を重視し、露出配線としています。 天井の電源ダクトと、柱に取り付けられたコンセントを電源として利用。

○ 4〜5F:事務室
OAフロアを利用し、自由なオフィスレイアウトに対応。
可変性に対応するため、特に電気は単純で明瞭な配線計画としています。

□ 情報
4Fに自社のメインサーバーを設置し、各フロアに分配。避雷設備で保護。

□ 給排水設備
本社屋北側、東・西棟2系統、縦シャフト近くにトイレ・給湯等の水回りを配置し、無駄な配管を排除。


↑ 5F:会議室

■ 構造計画
キャンチ1~3については、任意形状立体解析プログラムにより別途 検討。建物本体は、キャンチを含まない架構モデルにより一貫計算 を行い、外力としてキャンチ部分を考慮している。
尚、キャンチ部分まで含めた全ての架構においても、変形量の確認 のために立体解析を行っている。 キャンチ1については、変形を考慮し柱芯より5.0mの持ち出し長さと している。また、変形・振動対策として、スタッドボルトを配しスラブ との合成効果、および、剛床による制御効果を期待している。 玄関庇サイズ: 約6.0m×9.0m 先端部分は片側はRC壁で支持し、もう片側はキャンチ1よりテンション ロッドM36で吊っている。

 □ 荷重条件
各階製造室について、1F:1000kg/㎡、2F:700kg/㎡、3F:400kg/㎡
4,5Fは事務所程度。

□ 架構
柱:角形鋼管(BCR295)、梁:H型鋼 による鉄骨純ラーメン架構
床:合成床版(スーパーEデッキ)

□ 柱脚
露出柱脚による半固定として検討。柱脚バネとしバネ定数を算定し応力解析、その他検討を行った。
但しコスト面より既製品を採用せずプレート等で製作。
ベースプレートt=55.0 アンカーボルト 8-M48

□ 地盤・基礎
表層より盛土~火山灰質の堆積土(N値5~10程度)がGL-5.0m
まで続く。支持層は5.0m以下の砂岩層とし、深層(柱状)改良により
300KN/㎡を確保し 独立フーチング直接基礎を採用。

←4F:会議室螺旋階段

03 : 立地・配置・建築

象徴的な煙突が屹立する八幡製鉄所・・・その隣の敷地につくられた北九州テクノパーク。
この地に北九州市内の企業、ジャパンシステムエンジニアリング株式会社(JASE)本社ビルは建設されました・・・


■ 立地・配置計画

□ 立地

”北九州テクノパーク”:北九州戸畑区、九州工大駅前につくられました。
”八幡製鉄所” 敷地北側に隣接。近代日本を支えた北九州工業地帯の中核となる工場。未だ健在。

□ 配置計画


配置計画
1,隣地の建物と本社屋共に良好な環境を保つ
2,建物と駐車場の機能的・効率的な配置
これらのことを考慮し、隣地とのバァファゾーンも兼ねて本敷地外周部を駐車場+車路とし、
最大限の駐車台数と良好な建物環境を実現しています。

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