建築見学 – 大分01

Posted by admin - 10月 17th, 2009 ↑ blog top

■大分の建築を見学してきました。

□ 「大分県立図書館」

知の殿堂である図書館にふさわしい気品溢れる建築です。
移ろいゆく青空の中に毅然として配置された大きさの異なる正方形は、人間が造り上げた知の体系を表現しているようです。

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↑ エントランスホール外観。 中に入ってみましょう。
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↑ 立方体の天蓋は球面でした。隙間から射し込む光は、無機質なコンクリートを浸食、刻々と変化しています。
知の体系は自然と共にあることを教えてくれます。
トップライトのジグザグの梁が効果的に陰影を描いています。

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↑↓エントランスホールの外観と内観。表裏一体となったデザインとなっています。
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↑ コンクリートの型枠、型枠を支えるセパレータ、打ち継ぎ目地、ガラスブロック開口
全て正方形の相似形で構成。

「大分県立図書館」
竣工―1995年
設計―磯崎新アトリエ

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□ 「アートプラザ」 (旧大分県立図書館)

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↑ 旧県立図書館 アートプラザとして使い続けられています。
現在、既に日本はビルストック時代を迎えています。
「大規模改修+リノベーション」により建物をできるだけ使い続けることが求められます。

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↑ 彫刻のような力強い柱。
シリンダー梁を支える、柱基、柱身、柱頭、均衡のとれたバランスが力強く美しい。
ディティールも見逃せません。

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↑ スロープは想像以上に有用性があります。
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時代を象徴する力強さ。エネルギー溢れる彫塑的構成。
新大分県立図書館と比較すると、時代の変遷が感じられ、興味深いです。

「アートプラザ(旧大分県立図書館)」
竣工―1966年
設計―磯崎新アトリエ

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□ 中津市 「風の丘葬斎場」+「相原山首遺跡」

「風の丘葬斎場」は「相原山首遺跡」と一体となった施設でした。
太古の昔から死に関わる場所だったようです。

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↑ コンクリートの柱とガラスの帯が織りなす影。
ガラスには木々が映り、影は透きとおる。不確かな存在。
それに対し、コンクリートの柱の影の濃さは、確かな存在を証明しているようです。

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↑ 水盤に反射して延びる光線。水の動きで揺らめいています。
落日まぎわのみにあらわれる光の芸術。

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↑ 多様な光が降り注ぐ空間。

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象徴的な独立柱。コンクリートであるが繊細。
天窓により柱全てが光に包まれる。
アートプラザの柱とは対照的。同じ素材でも意味も表情もこれほど変わります。

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↑ 古代の古墳群と現代の葬斎場が並立している。
古代から現代まで、時間と空間を連結させるランドスケープ。
この意味・役割は大きい。歴史と日常が融合する景観。

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「風の丘葬斎場」
竣工―1997年
設計―槇総合計画事務所

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