「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-10-特別室リノベ04

3月 4th, 2011

■ あきよし医院リノベーション工事Ⅲ-特別室の工事も終盤です

■築30年を過ぎた建物は、現在のような断熱をしている建物は少ないです。
この建物も断熱をしていなかったため、外壁側の窓と壁には床に水がたまるほどの結露が発生していました。

そこで今回特別室のリノベを行うに伴い、外壁側の壁にウレタン吹付断熱を施工し、窓には内窓を取り付けました。
下の写真は、既存のアルミサッシの内側に内窓サッシを取り付けたところです。
外壁側にはウレタン吹付をしてボードを新たに張っていますので、内窓サッシを取り付けても壁の厚みがあるので
すっきりした納まりになっています。
色は、木製建具と同色のダークブラウンにしています。


↑ 既存アルミサッシの内側に新たに内窓用のアルミサッシを取り付けたところです。


↑ 既存アルミサッシは、3分割されたはめ殺し窓(FIX窓)でした。
その割に合わせて、真ん中がFIXで両側が引き戸になった内窓サッシを取り付けたところです。

■クリスタルカウンタ取り付け

特別室なので単なる洗面器ではなく、グレードの高い洗面カウンタである「クリスタルカウンタ」(TOTO)を取り付けました。
これはボウル一体型のカウンタなので、汚れやお手入れがしやすいものとなっています。
給湯施設がないので、小型の電気温水器(3L)を取り付けて、お湯も使えるようにしています。


↑ カウンタを支持するブラケット取り付け   ↑ ブラケットの上にカウンタを設置


↑ 設置完了。ボウル一体型のなのでスッキリしたデザインで、お手入れも楽です。
カウンタ上部の壁は水に強いメラミン化粧板を張っています。

■便器取り付け

特別室なので、トイレが設置されていましたが、大変狭いトイレでしたので、タンクレストイレにしました。
前便器の排水孔が手前にあり、そのまま普通の便器は取り付けることができない状態ですので、
リモデル用の便器を使っています。
給水用の配管なども考慮し、壁を少しふかしてタンクレストイレを設置しました。
これで、以前よりもだいぶ広いトイレとなりました。


 
>>完成までのストーリー
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>>11 – サイン完成
>>10 – 特別室リノベ04
>>09 – 特別室リノベ03
>>08 – 特別室リノベ02
>>07 – 特別室リノベ01
>>06 – サイン計画
>>05 – 照明計画
>>04 – 廊下壁塗装検討
>>03 – 上吊り引き戸検討-2
>>02 – 上吊り引き戸検討-1
>>01 – デザイン開始・概要

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内窓サッシ:「プラマードU」(YKKAP)
洗面カウンタ:「クリスタルカウンタ、ボウル一体型」(TOTO)+小型電気温水器「湯ポット」(TOTO)
便器:タンクレストイレ「ネオレストD1(フタなし)」(TOTO)
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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-09-特別室リノベ03

2月 28th, 2011

■ 特別室:建具工事、内装工事

他の病室と同様に、ドアを取り外し半自動上吊り引戸にしています。
特別室は、他の病室とは異なるデザインとしているため、室内側の仕上げを変えました。

↑ 室内側:ダークブラウンの仕上げ      ↑ 廊下側:他の建具と同様の仕上げ


↑ トイレの建具もダークブラウン        ↑ トイレ内:既存タイルの上にカチオン処理、クロスを張ります。


↑ 床のビニル床シート工事開始        ↑ 天井のパテ処理も終わりクロス工事に移ります。
 
>>完成までのストーリー
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>>11 – サイン完成
>>10 – 特別室リノベ04
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>>01 – デザイン開始・概要

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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-08-特別室リノベ02

2月 24th, 2011

■ 特別室のリノベーション工事が進んでいます

○結露対策

↑ 解体工事が終わり、内装工事に進んでいます。
築30年ごろの建物は、必ずしも断熱性能が充分とは言えませんでした。この建物でもそのような状態であり、冬の現在
外気に面する壁の内側には結露が発生していました。一部壁仕上げに結露が染み込んでいる部分もあり、今回の工事では、
外気に面する内壁には断熱材であるウレタン吹付をすることにしました。左の写真で、窓のある壁にはボードが張ってありますが、
ここはコンクリートの壁にウレタン吹付をし、軸組を組んでボードを張っています。
また、窓は、単板ガラスなので、当然ながら結露が発生します。そこで、最近CMでもよくやっていますが、内付けサッシを
取り付けることになりました。後日、内付けサッシYKKAPプラマードUが取り付けられます。


↑ 天井工事=照明+煙感知器+スピーカー+点検口
実は天井にはいくつもの器具が取り付けられています。あまり気づかず生活していますが、デザインをしていると天井の器具を
どう取り付けていくのかは悩みどころです。
照明の配置だけ考えていては、煙感知器やスピーカー、点検口の位置がバラバラになり、完成してみたら散漫な天井に
なってしまいます。右側の写真では穴が幾つか開いていますがバランスが悪いのでこの場でレイアウト変更しました。
しかし、この時点のレイアウト変更は、工事的に問題もあります。それは、ボードを貼るための金属製のバーが天井内に
設置されており、レイアウトを変更する場合バーも一緒に直さないいけないからです。
結構厄介な工事となりますが、変更していただきました。
 
>>完成までのストーリー
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>>10 – 特別室リノベ04
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>>02 – 上吊り引き戸検討-1
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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-06-サイン計画

2月 13th, 2011

■ 「あきよし医院」リノベーション:2F廊下、サイン計画です。

サインのデザインは、日本の公共施設にとって課題の一つです。
当初のデザインで作られたサインが機能せず、後付で取り付けられたサインが数多く見られます。
多くの場合、当初のサインが残されたまま、手書きの大きなサインが無造作に貼りつけられ、せっかくの空間が
陳腐なものになってしまうことも多々日常的に見られます。

■ 今回のリノベーションの目的は、機能面で患者さん看護婦さんお医者さん共に使いやすくすること、
事務所的な雰囲気を温かみのある空間にすること、です。

サイン計画も分かりやすく、温かみのある雰囲気であることが条件となります。

■全体計画


廊下へ外開きだったドアを半自動上吊り引戸に変更しました。
壁と天井を塗装しています。巾木は高さ300mmのソフト巾木にしています。
照明はLEDダウンライト100Wクラスにしました。
ダウンライトの取付間隔を決めるのが大変難しかったのですが、ドアの配置などを考慮し
2000mmとしました。
部屋番号はダウンライトの光が照射している2枚並んだ引き戸の両端に取り付ける事になりました。

■サイン試作


今回は、壁から飛び出すサインではなく、視線が低い位置でもわかる壁付けのサインにすることがご要望でした。
コンクリート壁の厚さが150mmほど有りその部分をサインとしても利用しようと思い室番号を書き入れています。


廊下側から見たときにコンクリート壁の厚み部分の番号が見えるようにしています。


部屋番号の下にネームプレートを取り付けるようにしました。
縦書きか横書きか検討。


2F案内のサイン。文字の大きさを検討。


新設ドア部分のサイン。
 
>>完成までのストーリー
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LEDダウンライト:小泉照明:LED6球(15.3W)(100Wクラス)電球色
天井・壁を塗装
巾木は背の高いH=300のソフト巾木
ドアを半自動上吊り引戸に変更
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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-05-照明計画

2月 3rd, 2011

■ 「あきよし医院」リノベーション:2F廊下照明計画です。

照明デザインは、空間の質を大きく変えてしまう重要なデザイン要素の一つです。

■リノベーション前の状況

↓ リノベーション前の廊下です。

照明器具は、一般的な施設に設置されている、20Wの蛍光灯が2本むき出しの天井埋込照明でした。
長い廊下に5ヶ所設置されている状態で、照明器具の間隔が離れているため照度を測定してみると、
90lx~30lxとなっており、照度の差が結構出ています。また、蛍光灯の色を色温度といいますが、
白っぽい色の蛍光灯のため、事務所のような寒々しい雰囲気になっています。


↑ 照明器具・避難誘導灯・非常用照明・煙感知器
今回は、煙感知器以外の、照明器具・避難誘導灯・非常用照明を変更します。
避難誘導灯は、消防署に変更内容を審査していただき、了承を得た後に施工し、完成後消防検査を受けます。
写真にある避難誘導灯は年代物です。味はありますが、現在ではLEDが使用されていることもあり大きさも小さく、
デザインにも配慮された器具に変更します。

■照明計画

新しく照明デザインをするに当たり、いくつもの案を考えました。
1,天井直付照明案:丸型ガラスカバー(蛍光灯)
2,カバー付きシームレス蛍光灯案
3,LEDダウンライト案
など

←天井直付照明:丸型ガラスカバー

いろいろ検討した結果。LEDダウンライト案になりました。
LEDダウンライトは、寿命が長いため、球替えが10年以上必要なく、消費電力が少ないという特徴がありますが、
器具の価格が高い、光源がむき出しのため、まぶしすぎる(グレア)、断熱施工型がないなどの弱点がありました。
しかし、年々急速に改善され、器具の価格が下がり、光源が深型になり、カバーも付けられ、配光もグレアも
白熱灯タイプのダウンライトと近いものになってきました。断熱施工でしかも白熱灯換算100Wタイプも出てきました。
そこで、今回は小泉照明の白熱灯換算100Wタイプ、色は電球色、断熱施工型のダウンライトを採用することにしました。

ダウンライトの取り付け位置ですが、なるべく壁面を照らしたほうが部屋全体が明るく感じるため、壁面から
400~500mm離して取り付けようと考えました。
そこで、ダウンライトの明かりが壁面からの距離でどのように
変化するのかを小泉照明のショールームで実験してみました。


↑壁面からダウンライトの距離を変えて、明かりがどのようになるのかを実験。

■リノベーション後


リノベーション後の廊下です。
LEDダウンライトが取り付けられました。全体照度、グレア、壁面のライトの当たり方、
シュミレーション通りのイメージに仕上がりました。


↑ 長い廊下に連なるLEDダウンライト。病室ドアにあわせ等間隔に取り付けられました。
以前の光源むき出しのLEDダウンライトと比べ、深型でグレアカットされているために
眩しさが低減されています。天井裏に断熱材が施工されていたのですが、断熱施工型
があったので、そのまま取り付けることだできました。
色も電球色にしましたので、リノベーション前の白々しい感じではなく、温かみのある
雰囲気になりました。


↑ 交換した避難誘導灯。矢印だけのものが通路誘導灯。LDEにより、小型でメンテナンスが容易な機種が出ています。
以前の大型の誘導灯に比べ大きさが小さくなりデザイン性もよいのでスッキリした空間になりました。
 
>>完成までのストーリー
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LEDダウンライト:小泉照明:LED6球(15.3W)(100Wクラス)電球色
天井・壁を塗装
巾木は背の高いH=300のソフト巾木
ドアを半自動上吊り引戸に変更
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>>11 – サイン完成
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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-04-廊下壁塗装検討

1月 19th, 2011

■ 廊下の塗装のため、色見本を作成、検討

今回のリノベーションは、2階病室のドアを上吊り引き戸に変更、廊下と天井の再塗装と照明の刷新、サインの変更、手摺取り付けなどです。

廊下と天井の塗り替えにあたり色見本を作成しました。


↑ 右側に、新しく取り付けた上吊り引戸。中央下部の素材が高さ30cmのソフト巾木。
中央にあるのが色見本。今回5つの色見本を作成し、3つに絞り現場で検討しているところです。

■現況は?
既存の廊下は病院特有の無味乾燥な空間となっています。

この空間を品があり温かみのある空間へ刷新、機能的にはできるだけバリアフリー化すること、
これが今回のリノベーションの目的です。
病院といえども人が生活する空間です。また、患者さんが、看護婦さんが動き易い空間であることは当然必要です。

■色検討
色は、見本を作成し決めるようにしていますが、色見本と実際に塗装した空間を比べると、概して実際の空間の色は薄く感じます。
また、天気、照明、時間などにより、色の見え方は刻々と変わっていきます。
ということで、色見本で検討するときは、昼と夜、夜は実際に利用する照明を利用し検討するようにしています。

↑ お客さんを含め、数人で色見本を見比べています。

右側が濃いめの色がよいのではないかという意見が多かったのですが、色見本でみるとちょっと濃いので、もしかすると実際に施工すると暗く感じてしまうのではないかという危惧があり、最終決断はもう少し時間をかけて結論を出していただきました。
最終結果は右側の色が壁、左側の薄い色が天井に決まりました。

■塗料―なるべく生活環境によい塗料
病室階の廊下塗装をする時は、病室に患者さんがいらっしゃるので、匂いがなるべくしない塗料を使うことが望まれます。
また、空気環境にも配慮した塗料が望まれます。
今回、「エコフレッシュ」という水性で、超低臭性、ゼロVOCの塗料を使用しました。

「エコフレッシュ」合成樹脂エマルションペイント(不燃材料):エスケー化研
 
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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-03-上吊り引き戸検討-2

1月 12th, 2011

■ 病室のドアを上吊り引き戸に改修するため、ドア撤去後、試作品を取り付けてみました。


↑ 建具工事開始


↑ 工場で作製してきた上吊り引戸用、半自動金物を取り付け


↑ 上吊り用金物に建具を吊下げました。


↑ 半自動なので、開けるのは手動、閉まるのは自動です。
上吊金物のレールが傾いているので、扉の重力で自動的に閉まります。
扉を開ける時、勢いがついた扉が戸尻側で衝撃がかからないようにブレーキがかかります。
また、扉を閉める時、勢いがついた扉が戸先側で衝撃がつき大きな音や指詰めがないようにブレーキがかかります。


↑ 室内側は樹脂製の把手ですが、廊下側は、(前回のブログで書きましたように)引きこみ把手を戸先に取り付けています。


↑ 扉の有効開口幅をなるべく取りたいため、戸先に引きこみ引手を取り付け、扉を全開できるようにしています。
扉を全開したときに、指詰めしないようにこのような形状にしました。
 
>>完成までのストーリー
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上吊金物:半自動片引吊戸HCS-30N(DAIKEN)
把手
室内側:ケアハンドル(ユニオン)
廊下側:No.807カインド引手L=300(ベスト)
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デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-02-上吊り引き戸検討-1

12月 22nd, 2010

■ リノベーション工事、第Ⅲ期となる今回は、次の場所をリノベーションします。

1,入院施設の病室の外開きドアを、上吊り引き戸に変更

2,2Fの廊下内装と照明の刷新

3,病室の特別室の刷新

■ 1,上吊り引き戸

○ 現況は、病室のドアが廊下側へ外開きとなっているため、次のような問題が出ています。
1,外開きドアのため、ドアの開閉時に廊下側へ飛び出してしまうため、廊下に誰かいないか注意が必要です。
2,開けっ放しの時に廊下にドアが飛び出しているため廊下の幅がその分狭くなるのと廊下を歩くときに邪魔になります。
3,ドアノブが握玉なので、ドアが開けにくい方々もいらっしゃいます。
4,ドアの有効開口幅が800mm以下なので、車椅子利用時に少し狭く感じます。


↑ 現況:廊下側へ外開き(ドアを取り外した後の有効開口幅は780mmです。)

○ 上吊り引き戸にリノベーションするに当たり、有効開口幅を少しでも広げるためドアの枠を撤去してみました。
撤去に当たり、試しにドアを一つ外してみたところ、有効開口幅が840mmになりました。
枠を取り外したところ60mm有効開口幅が広がりますので、枠も撤去することになりました。
取り外した後はモルタル補修し、塗装仕上げとします。


↑ 有効開口幅を少しでも広げるため、ドアの枠を撤去した状態。有効開口幅が60mm広がりました。

○ 上吊り引き戸把手

上吊り引き戸の把手は、病室側に長さ約450mmの把手を取り付け、廊下側には掘り込み引手を取り付けることにしました。
病室側の把手の選定にあたり、サンプルを4、5種類とりよせ検討しました。
選定基準は、触ったときに冷たくないもの、耐久性が高い物、デザインが扉に合う物、予算内におさまるものです。
結果的に下の写真の中央の把手になりました。


↑ 把手の選定

上吊り引き戸は病室側に取り付けます。そうすると、病室側には取っ手が取り付けられますが、廊下側に取り付けると、
把手が壁に当たってしまうため、有効開口幅が狭くなってしまいます。
そこで、廊下側には掘込の引手を取り付けることにしました。
掘込引手にすると、有効開口幅いっぱいに開けることができます。


↑ 掘込の引手の検討。実際にサンプルを作成していただきました。
写真上部の家具用把手に決めました。
これは150mmタイプですが、実際には300mmタイプを利用します。

掘込の引手の場合、引き戸を全開するときに、把手にかけた指が壁に挟まれることが危惧されます。
そこで、家具用の引手を引き戸の戸先に取り付けることにしました。
そうすると、普通に使用すれば全開したときに指を挟むことはありません。

○ 引き戸面材

引き戸面材はメラミン化粧板で作成することにしました。
多くのサンプルを取り寄せ、現況の室内素材や色と、これから塗装を仕直す廊下の色など、
いろいろシュミレーションした結果、写真右下の木目横柄に決定しました。


↑ 引き戸面材サンプル

これらの素材を利用し、試しに1つ作成することにしました・・・。次回へ続く。

>>03 – 上吊り引き戸検討-2
 
>>完成までのストーリー
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工事:㈱マベック
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