街角の名も無き建築物-02

1月 5th, 2013

■ 給水塔


↑ 交通量の激しい17号線に沿って建設された「上尾白小鳩団地」(全35号棟)の西日に照らされた給水塔

同じ”箱”が画一的に建ち並ぶスケールアウトした風景の団地の中で、唯一、シンボリックに自己主張しているのが「給水塔」です。重力に逆らってそそり立つ「塔」というのは、それだけで用途やかたち、デザインに関係なく、人々の視線を奪い、何かしらの示唆を与えてくれます。

3本の組み柱により構成されています。みたところジョイント部分にはボルトが見えませんので、溶接で剛接合されているようです。このボルトレスの柱と梁の接合部(ディテール)が、シンプルでスッキリした印象を与えるデザインとなっています。シルバーの塗装が綺麗でサビの跡も見えないので、定期的に補修されているようです。
3本組み柱内の数本の配管も見逃せません。これは単なる塔ではなく、各住戸に給水するという重要なライフラインです。これらの配管類はこの塔がこの団地の住民の生活を支えていることを表現しています。
頂部、水槽を支える斜材が、やはり溶接で取り付けられているため、スッキリしたディテールになっています。この斜材は構造的に必要であったかどうかはわかりませんが、デザイン的にあったほうがいいのか、なかったほうがいいのか、意見が別れるところでしょう。
そして水槽を隠している紙コップ形の逆円錐形のカバー。このシルバーのシンプルな幾何学形のデザインが「聖火台」のようで、今にも炎が出てきそうです。この板金加工で作られた逆円錐形部分は職人さんの苦労のあとがみてとれます。多少無理に曲げられた板金の適度なヨレヨレ感、デザインポイントにもなっている適度な間隔で横縞を構成している板金ジョイント、これらに西日があたり鈍く反射するシルバー色、これらが頂部の独特な魅力となっています。

給水塔は、高い位置に水を貯めて重力により水圧を確保し各住棟・住戸に給水するために作られたものです。(現在は、電動のポンプで水圧を確保し給水しているので、給水塔や高架水槽は作られなくなりました。) もしかすると、少し大げさかもしれませんが、水がなければ生きていくことのできない私達にとって、給水塔からすべての住戸に水が送られているという意味において、団地住民のみなさんは、自分たちみんなの命を守ってくれている塔、いわば”いのちの塔”的なものを感じとり、特別な感情をもって眺めていたかもしれません。

○場所:上尾白小鳩団地・給水塔

○「上尾白小鳩団地」
ちなみに上尾白小鳩団地は、昭和42年に行われた埼玉国体の際に選手村として造成された場所で、国体終了後に県営団地として転用されました。白小鳩団地の名称は、当時選手村を「しらこばと村」と呼んでいたことが元らしいです。

○給水塔マップがありました。(笑)
塔マップ | あのタワーを忘れない:http://tower.30maps.com/

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T邸-18 写真撮影 – 引越後 (ピアノ教室+住宅、埼玉県桶川市)

5月 5th, 2010

■ 昨日、T邸の引越後の写真撮影をいたしました。

→  T邸 – The Urbanship in okegawa

1月末、引越前に写真を撮らせていただき、今回、引越後ほぼ落ち着いたところを撮影させていただきました。
お施主様には大変ご負担をおかけいたしましたが、おかげさまで大変良い写真を撮っていただくことができました。

↑ 午前中から夕景まで、室内、外観を撮影していただきました。

■ 以下の写真は私が撮った写真です。(写真は難しいですね。)

←1F:ピアノ教室、2F:洗面・トイレと浴室

←ピアノが設置され、表通りからハッキリと見ることができます。


↑ 中山道に面する細長敷地。

■概要
用途:住宅+ピアノ教室
構造:木造2階建
設計:nano Architects / 信濃設計研究所
施工:㈱タナベ建設 http://www.tanabe-c.co.jp/
着工:2009年9月17日

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T邸-17 住宅完成見学会

1月 15th, 2010

1月23日と24日予定通り見学会を行い無事終了いたしました。
ご来場のみなさま、ありがとうございました。

この度、お施主様のご厚意により下記日時にて内覧会を開催させていただきます。
ご興味・ご関心のある方はご参加ください。

■  The urbanship in okegawa

埼玉県桶川市、中山道。桶川宿として歴史的な古民家もかろうじて残っている幹線道路。
時代の変遷に翻弄され日々移ろう街並み。様々な用途、様々な時代の建物が混在、雑然とした景色が連続する。
果たしてこの街はどこへ向かってゆくのだろうか?雑然と移ろう街並みは、土地に根ざした建築という概念を忘れさせ、個々の建物は、まるで海に浮かぶ船のように、時に時代という荒波にのみこまれ簡単に姿を消してしまう。
この街並みは、大地に頑強に定着しているはずの建築群が、まるで一時的に係留されているだけの、危うさをともなう移動可能な乗り物のような錯覚に落ちいさせる。

目的地点不明、時代に翻弄される「都市」という海に浮かぶ「住宅」という名の船。さらに混迷を深めていくことであろうこれからの時代、家族を荒波から守り、目標地点に向かい導いてゆく船・・・それがこの住宅です。

■ 日時
1月23日(土)11時~16時
1月24日(日)11時~16時

■ 場所 埼玉県桶川市西1丁目

■ JR桶川駅より徒歩約8分
自動車の場合はコイン駐車場をお使いください

■ 内覧会のご参加の方は、ご希望日時、参加人数等をお書きの上、お手数ですがメールにて
ご連絡お願いいたします
mail@nano-architects.com
場所の詳細はメールにてご返信させていただきます。

■ なお、小さいお子さんのご来場はご遠慮お願いいたします。

■概要
用途:住宅+ピアノ教室
構造:木造2階建
設計:nano Architects / 信濃設計研究所
施工:㈱タナベ建設 http://www.tanabe-c.co.jp/
着工:2009年9月17日

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T邸-16 「モヒカンジェット」「モノレールジオラマ」

1月 15th, 2010

■ 懐かしのANAモヒカンジェット(復刻版)

福岡空港で羽田行きの飛行機を待っていたところ・・・

見慣れないが何か懐かしい飛行機を発見。
ANAのホームページを見ると「懐かしのANAモヒカンジェットで旅に出よう」ということで特集が組まれていました。運行予定便も調べられるようになっています。
フレームに機体全体を納めることはできませんでした。残念。

■ モノレール ジオラマ

羽田空港、モノレール改札口部分にある知る人ぞしるモノレールのジオラマ。

↑ 浜松町駅付近、東京タワーがそびえる

↑ ボタンを押すとモノレールが走り出す。
左にはNEC本社ビル、右には高速道路、車も走っている。子供たちにも人気。

↑ 同時に羽田空港からもモノレールが走り出し、ここですれ違い。

この後、埼玉県上尾市へ・・・明日はT邸の完了検査です。

敷地:埼玉県桶川市 / 細長敷地
用途:住宅
構造:木造2階建
設計:nano Architects / 信濃設計研究所
施工:(株)タナベ建設 http://www.tanabe-c.co.jp/
着工:2009年9月17日
竣工予定:2010年1月

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T邸-15 工事工程11

1月 9th, 2010

■工事工程11 (足場解体、内部造作工事)

↓ 12月28日 外部足場解体

↓ 玄関タイル施工

↓ 建具施工

↓ 照明器具も取り付けられ始めました。

敷地:埼玉県桶川市 / 細長敷地
用途:住宅
構造:木造2階建
設計:nano Architects / 信濃設計研究所
施工:(株)タナベ建設 http://www.tanabe-c.co.jp/
着工:2009年9月17日
竣工予定:2010年1月

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T邸-14 工事工程10

1月 9th, 2010

■工事工程10 (雨樋工事、内部造作工事)

↓ 屋根の一部は谷樋となっています。
左側が室内、右側が庇となっています。
谷樋といっても、樋自体は外部に設置されていますので、もしもの時も室内側には被害がないように考えこのようにしました。

↓ フード取り付け
フードは、雨水が入りにくいタイプのフードを選びました。
通常のフードに見えますが、編み目に特徴があり、深型のフードに近い性能をもった対雨性能を持ったフードです。

↓ 玄関横下駄箱

↓ ボードパテ埋め

↓ クロス張り

敷地:埼玉県桶川市 / 細長敷地
用途:住宅
構造:木造2階建
設計:nano Architects / 信濃設計研究所
施工:(株)タナベ建設 http://www.tanabe-c.co.jp/
着工:2009年9月17日
竣工予定:2010年1月

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T邸-13 工事工程09

1月 9th, 2010

■工事工程09 (外壁、内装工事)

外部工事が終盤になってきました。

↓ 12月4日 玄関上部にアルミの庇を取り付けました。

↓ 12月23日 外壁工事終了

↓ 2階リビングの連続窓上部に庇が付いています。

↓ 2階リビングのボード張りが終了しました。

↓ 2階子供室のボード張りが終了しました。

↓ 壁の切り込み。スイッチ、インターホンが取り付けられます。

↓ 階段施工

敷地:埼玉県桶川市 / 細長敷地
用途:住宅
構造:木造2階建
設計:nano Architects / 信濃設計研究所
施工:(株)タナベ建設 http://www.tanabe-c.co.jp/
着工:2009年9月17日
竣工予定:2010年1月

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T邸-12 工事工程08

1月 9th, 2010

■工事工程08 (内装工事)

2階の天井には、アールの堀込みがあり、間接照明が設置されています。

↓ 12月3日 アールに加工された合板が天井に取り付けられました。

↓ アールに堀込んだ天井のかたちができてきました。

↓ 曲面部分にも合板が張られ下地が完了しました。
左側の隙間に蛍光灯が入れられ、間接照明となります。
洗面脱衣室・廊下・キッチン・リビングへと連続したアールが続いています。

↓ アールの天井の先には吹き抜けがあります。
上部にはハイサイドライトといわれる窓が付いています。

↓ アール部分に合板が張られました。
アールの部分が吹き抜けに連続しています。

↓ 合板、ボードが張り終わりました。ハイサイドライトの自然光がなるべく下に落ちるように、
吹き抜けの天井は斜めに傾斜させています。

敷地:埼玉県桶川市 / 細長敷地
用途:住宅
構造:木造2階建
設計:nano Architects / 信濃設計研究所
施工:(株)タナベ建設 http://www.tanabe-c.co.jp/
着工:2009年9月17日
竣工予定:2010年1月

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