■ 高砂-大規模改修-

 

 

プロジェクトメンバー

施主:吉原住宅有限会社
設計:信濃設計研究所
施工:若尾建設株式会社
   株式会社スペースRデザイン

概要

敷地住所:福岡市中央区清川2-4-29
主要用途:1F・テナント、2F〜7F賃貸マンション
主要構造:RC造7階建 
延床面積:3823.048平米
竣工  :2005年4月

ビルストック時代

今や日本は「ビルストック時代」に突入しています。ビルストック時代では、建物を60年から80年以上使い続けることが、普通のこととなります。しかし、建物を60年以上使い続けるには、いくつもの大きなハードルを越えていかなければなりません。大きく分類すると、ハードとソフト、両方に大きなハードルがあります。ハードとソフトは密接に関連していますので、どちらかのみの対応だけでは不十分です。今回の大規模改修工事も、ソフト対策と連携し計画、実施されました。

”ビルストック時代”には、”ハード”と”ソフト”が関連した”建物長期維持計画”が必要です。

大規模改修 / 定期改修メニュー : ハードの計画的長期修繕計画
  Ⅰ.建築 Ⅱ.設備 Ⅲ.構造
  ・ 外壁補修
・ 屋上・ベランダ防水
・ 窓まわり等止水補修
・ 外壁塗装
・ 排水管の内視鏡調査
・ 給排水管更新計画立案
・ FRP受水槽新設
・ 共用給水管更新
・ 共用排水管更新新設
・ 高架水槽撤去
・ コンクリート強度検査
   中性化 / 塩分調査
・ 耐震診断
・ 耐震設計
・ 耐震補強工事
耐震補強工事

 

現況検査
     
コンクリート強度検査 排水管内視鏡検査 外壁コンクリート劣化検査 外壁コンクリート劣化検査
設備工事
     
共用排水管新設工事 給水管取替工事 樋取替え工事 受水槽新設工事
建築工事
     
外壁補修工事 笠木防水工事 屋上防水工事 塗装工事
     
構造スリット工事      
Ⅱ.”設備”

建物は、築30年頃に大規模改修の必要性が出てきますが、外壁のヒビや屋上防水など目に見えて分かりやすい部分と、設備配管類のような普段見ることのできない部分があります。

建物を60~80年以上維持していくためには、そうした設備配管をどのように維持・更新していくのかが、大変重要となります。構造、防水等に問題がないとしても、設備配管類が更新できないために、建物が短命に終わってしまうことが多々あるからです。

そうした維持・管理を行う上で、長期修繕計画を立案、遂行してゆくことが重要となってきます。

[ ビルストック時代の建築 ] → 国富として維持する時代

日本では既に800万戸の空き家があるといわれています。建物の廃墟問題が一般化し、地方自治体で条例の制定が進んでいます。
建物は私的所有であっても、社会的な義務として長期維持計画を実行し、公共的国富として維持するようなことをしなければ、人口減少、経済停滞時代において、廃墟ビルが増加してしまい、街自体が壊れていっていまうかもしれません。
公共建築物、道路や橋やその他の構築物の公的施設の維持も莫大な費用がかかります。公共物、私有物問わず、維持なのか、取り壊しなのか、計画的縮小開発時代に突入しつつあります。

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