■ 輝国の家

 

 

プロジェクトメンバー

家族構成:夫婦+子供2人

設計:nano Architects / 信濃設計研究所

施工:パナソニック ホーム エンジニアリング 株式会社

写真:日髙 康智 (air studio)

 

概要

敷地住所:福岡市中央区輝国

主要用途:住宅

主要構造:木造2階建

延床面積:134.47平方メートル

リノベ竣工:2015年10月(1975年竣工/築40年)

「丸太梁と共に暮らす」 輝国の家 築40年 木造2階建て住宅のリノベーション工事 

昭和49年(1975年)竣工、築40年の木造二階建て住宅です。
ご両親がお建てになり、幼少の頃からすごしたこの家には、想い出がたくさんつまっていました。

取り壊して新築も考えましたが、想い出がたくさんつまったこの家を、使い続けることにしました。しかし、家族四人、この家に住むには、ライフスタイルと合わないところが多々あります。そこでリノベーションです。

 

◯主なリノベーションの内容

1,和室の座敷と応接室の間仕切りを取り外し、LDKとご主人の事務室に変更

2,北側のダイニングキッチンを寝室に変更し、既存キッチンをLDKへ移動

3,床と天井に断熱材を施工

4,古くなったアルミサッシを、複層ガラスの断熱サッシに変更

5,各部屋の段違いの床高さをできるだけバリアフリー化

6,少なかった下駄箱収納を取り外し、玄関収納の新設

 

BEFORE  裏LDKという来客者中心の間取り

既存の間取りは、南側の庭に面する応接室と座敷がある、当時としては典型的な、来客者中心の間取りです。来客者を中心に考えられていたため、家族の集まるLDKは北側に配置、用途のはっきりしない小分けにした畳の部屋がつながる、現在のライフタイルとはかけ離れたプランとなっていました。

AFTER ― 家族のライフスタイルを表現するリノベーション

上記のような既存建物の状況のなか、現在のご家族のライフタイルに合わせ、日当たりが良く手入れされた庭に面した「座敷+広縁」を、小さいこどもが二人、元気よく駆け回れる「広々としたLDK」にする、そして、利用されることのない「応接室」をご主人の「仕事場」にする、というリノベーションをおこないまいした。

 

POINT 1 丸太梁をあらわす

工事に入り建物の天井を解体してみると、力強い丸太の梁が顔をだしました。この建物を何十年もささえた構造体でありながら、これが御施主様にとっても初めての顔合わせとなります。今では、きれいなクロスや床ですべてを覆う大量生産が可能な住宅が増えてきています。この丸太梁をみた時、過去に切り捨ててきた本来の住宅の美しさがこの梁にはあるのだ、と思いました。40年間家族を見守ってきた丸太梁との出会いを大切に、急遽天井を折上げ、いつでも梁がLDKに顔をのぞかせておくよう、デザインを変更しました。「丸太梁と共に暮らす生活」です。

POINT 2 柱を抜いて、鉄骨で補強する

間仕切り壁の移動にともない、どうしても取りたかった柱がありました。既存の木製の梁を強度の高い『鉄骨の梁』に変更することにより、広いLDKを実現することができました。

 

和風座敷をLDKへ

天井を折上げ、天井裏から出てきた丸太梁を表しにしました。天井懐を室内にすることにより広びろとしたLDKとなっています。キッチンは既存のものを移動して設置。アルミサッシは全面的に取り替え全て複層ガラスにしました。

和風座敷をLDKへ

広縁も部屋に取り込み空間を広げたことにより、キッチンを対面式にしてダイニングテーブルを置くことができました。キッチンカウンターはモザイクタイル仕上げとしています。フローリングはクリの無垢材です。

応接間を事務室へ

LDK同様天井懐を部屋に取り込み空間を広げています。

鉄骨梁で補強して、柱を取り除く

丸太梁の下にあるのが鉄骨梁です。LDKを広げるため、鉄骨梁を設置し、柱を取り除きました。丸太梁の存在感を重視し、鉄骨梁は目立たないよう白塗装仕上げとしました。

天井裏の丸太梁を見せる

工事に入り建物の天井を解体してみると、力強い丸太の梁が顔をだしました。40年間家族を見守ってきた丸太梁との出会いを大切に、急遽天井を折上げ、いつでも梁がLDKに顔をのぞかせておくよう、デザインを変更しました。「丸太梁と共に暮らす生活」です。

北側LDKを寝室へ

北側にあったLDKは、庭に面する南側に移動し、寝室+ウォークインクローゼットにしました。キッチン部分にあった出窓はそのまま活かし、ウォークインクローゼットとの間仕切り壁にはTVを取付け、寝ながらテレビを観ることができるようにしています。

玄関にクローゼット

玄関には昔ながらの下駄箱しかありませんでしたが、壁を取り壊し玄関収納も兼ねたクローゼットを作りました。扉には鏡を取付け、お出かけ前に身だしなみチェックをすることができます。玄関タイルと床の段差が40cmほどありましたので、上がり下りをスムーズに行えるように"式台"を取付けました。

次の世代に受け継がれ、使い続けられていきます・・・

リノベーション工事工程

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工事工程06 (内装工事-2) 仕上がりました!
工事工程05 (内装工事)
 3+1=4つの丸い穴を天井に開けた!
工事工程04 (鉄骨梁補強)
 柱を抜いた!
工事工程03 (アルミサッシ交換01)
 断熱サッシに交換。
工事工程02 (解体02)
 丸太梁をあらわすデザインへ。
工事工程01 (解体01)
 天井裏から丸太梁が出てきた!
工事工程00 (設計中) 築40の和風住宅です。
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