■ “ArchDaily” (アメリカ) に掲載 <山王マンション407:”時代蘇生”>

11月 23rd, 2014

■ アメリカのウェブマガジン ”ArchDaily” に、

山王マンション407リノベーション:”時代蘇生” - ”The Times Resuscitation Building” を掲載していただきました。

今回は、47年ほど前、輝いていた山王マンション新築当時から、負のスパイラルに陥っていたリノベーション前の状況をふまえ、407号室のリノベーションデザインを説明させて頂いています。

前回の山王マンション305リノベーション”時代移植”とともに、アメリカのみなさまへ、日本の賃貸マンション状況と古い建物に対する考え方、日本のリノベーション文化について、お知らせできたかもしれません。

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○ ArdhDaily
http://www.archdaily.com/566848/the-times-resuscitation-building-nano-architects/

『山王マンション』は、アメリカにも紹介されました!笑
世界的に有名な日本の賃貸リノベーションマンションとなっているかもしれませんね。

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コンセプト

■山王マンション概要

1967年竣工の、黒光りするタイルをまとった近代ビル「山王マンション」は福岡市博多区、低層木造家屋密集地に出現しました。ステイタスシンボルとなる当時まだ珍しいエレベータや電話交換機室を備えた最新鋭の賃貸マンションだったのです。時は過ぎ、築40年をこえ老朽化した山王マンションは、入居率低下、家賃低下、収益低下という負のスパイラルに陥り、古びた近代様式の外観と、薄汚れた障子に襖、畳敷きの内装は、誰しもが既に価値がないものと感じていました。しかし本当に老朽化した建物そして内装には価値がないのでしょうか?
(*日本では、建物の価値は、時間の経過とともに落ちてくのが常識になっている)

■デザインコンセプト

“空間のパーソナリティ”とは何でしょうか?創作者の意図、その時代の表現などが反映した空間に宿る、生命力に似た、”意志”のようなもの、それがパーソナリティといってもよいかもしれません。山王マンション407号室はそのようなパーソナリティを感じる部屋でした。

“時代感覚”とは何でしょうか?時とともに移り変わる気まぐれな大衆文化が生み出す”流行”。新しさや古さを感じる理由の一つはそのためです。”時代感覚=流行”はそれだけで価値を生み出す力を持っており、”老朽化”とは別の次元で人々の心を動かすことができるのです。リノベーションとは、老朽化とは別次元の”時代感覚的価値”の創作といってもよいかもしれません。

“パーソナリティ”は確かに存在しているが、時代の変化により”時代感覚的価値”が喪失しているこの部屋のデザインコンセプトは、”パーソナリティ”を受け継ぎながら、”今”、価値のある”時代感覚”を埋め込むことで、この部屋の命を”今”の時代に蘇生させること、それが時代蘇生の意味です。

まるで、機能不全に陥った患部を特殊機能装置に取り替えることにより、死の淵を漂う今にも消えそうな命を蘇生させる、サイボーグ手術のように・・・

■”この流木は、日本における老朽化した建物の象徴である”

築40年以上経過し老朽化した賃貸マンションがあります。時間が経過すればするほど価値が落ちていくこれまでの日本の常識では、このマンションの価値はほとんどありません。

海辺に打ち上げられた一つの流木があります。
この落ちている流木に何の価値があるのでしょう?
しかし、価値のないと思われたこの流木を部屋の中に設置してみると、「野生のデザイン」特有の存在感が部屋の雰囲気を支配し、流木が主役の部屋へと変貌しました。価値のないものと思われていた流木ですが、価値あるオブジェへと生まれ変わったのです。

価値のないものと思われていた「流木」が、価値あるオブジェへと生まれ変わったように、価値のないと思われた「山王マンション」も、リノベーションの力により蘇ることができるのです、たとえばこの部屋のように・・・

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イギリスのウェブマガジン2dezeen”、イタリアのウェブマガジン”designboom”にも掲載されています。

○ dezeen
http://www.dezeen.com/2014/11/19/the-times-resuscitation-building-nano-architects-1960s-japanese-apartment/

○ designboom
http://www.designboom.com/architecture/nano-architects-sanno-mansion-times-resuscitation-building-fukuoka-japan-10-29-2014/

 

■ 山王マンション305リノベーション:”時代蘇生 the times transplantation building ” も掲載されています。
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・ArchDaily:(アメリカ)
http://www.archdaily.com/364962/times-transplantation-building-nano-architects/

・dezeen:(イギリス)

http://www.dezeen.com/2013/05/14/the-times-transplantation-building-by-nano-architects/

・designboom:(イタリア)

http://www.designboom.com/architecture/the-times-transplantation/

 

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>> 山王マンション407リノベーション:”時代蘇生 times resuscitation building” について

その他の作品
>> WORKS

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■アメリカのウェブサイト『ArchDaily』で「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

4月 27th, 2013

■ アメリカのウェブサイト『ArchDaily』で「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。
「Times Transplantation Building 」

http://www.archdaily.com/364962/times-transplantation-building-nano-architects/

 

詳しい内容は、当サイト内のこちらをご覧ください。
→山王マンション 305号室 リノベーション
プロジェクトメンバー

ビル所有:吉原住宅㈱
企画 / 運営:㈱スペースRデザイン
設計:信濃設計研究所/nano Architects
施工:シーズ・クリエイションズ㈱
写真:日髙 康智 (air studio)

概要

敷地住所:福岡県福岡市博多区博多駅南4-19-5
主要用途:1F・テナント / 2F〜6F賃貸マンション
主要構造:RC造6階建(1967年竣工)
延床面積:305号室 48平米
リノベ竣工:2012年12月

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